ソーシャルファイナンスは SIB スキームの企画運営を行い、運営事務局として関わるイギリスの中間支援組織で2007年に設立されました。2010年に元受刑者の再犯率低下を目的とした世界初の SIBを開発し、その後2014年までの7年間で約2億4000万ポンドもの SIB 投資の調達を実現させました。
ソーシャルファイナンスは SIB に関して、具体的に以下の業務提供を行っています。
契約締結 | ・SIB 契約の開発 ・SIB 契約相手と政府との合意 ・投資家へのマーケティング ・サービス提供団体への委託 |
---|---|
SIB スキームの企画 | ・具体的計画の策定 ・サービス提供者候補のデューデリジェンス ・効果の測定とリターンの支払いの枠組みの決定 |
アウトカムの測定基準と 中間支援組織の選定 |
・社会問題のターゲット層に求められているアウトカムの調査 ・測定指標の評価 ・社会問題のターゲット層のニーズ調査 ・ニーズを満たす中間支援団体のリサーチ |
問題の明確化 | ・ターゲット層の傾向とコストに関するデータ分析 ・ステークホルダーの戦略的目標への理解の促進 |
アメリカやイスラエルのソーシャルファイナンスとのネットワークを形成しています。三団体間は密接な連携をとり活動していますが、経営面・資金面ではそれぞれ独立した団体となっています。
また、カナダ、オーストラリアを含む5か国の中間支援組織と提携しています。
2013年G8サミット議長国の英国・キャメロン首相の呼びかけのもと、インパクト投資をグローバルに推進することを目的として創設されました。
G8諸国の政府・金融・ビジネス及び慈善事業など各界のリーダーが集まり、インパクト投資市場の発展を目標としています。
英国の休眠預金活用基金、ビッグ・ソサエティ・キャピタルの創設者であるロナルド・コーエン氏が議長に就任、G8各国から政府代表1名、民間代表1名が参加し、約2ヶ月ごとに世界各地で会合が行われてきました。
タスクフォースの下部組織として、インパクト投資に関連する項目別の作業部会と、各国ごとにインパクト投資の状況を議論・促進する国内諮問委員会が設置されています。
作業部会は社会性評価測定、運用構成、国際開発と社会的投資、そして法人格の4つからなっています。それぞれ各国の課題と取り組みの共有・協議を通して、インパクト投資における基本的なガイドラインを策定することを目標としています。
日本からは、外務省が政府代表として、日本財団が民間代表として、G8インパクト投資タスクフォース第4回のパリ会合から参加しています。
G8 インパクト投資タスクフォースはその報告書にて、以下の8つの政策提言を掲げています。
メンバーは G8 各国からの政府代表、民間代表の各 1 名ずつ。日本からは外務省経済局経済協力開発機構室長が政府代表、日本財団国際グループ担当常務が民間代表としてメンバーに登録しています。またタスクフォースのサブ組織として各国が国内諮問委員会を組成しています。
日本国内においても、インパクト投資の機運を高めることを目的として、様々な事項についての活発な情報共有・議論が行われています。
○2014年7月:G8インパクト投資タスクフォースシンポジウム開催
日本の国内諮問委員会は、2013年G8インパクト投資タスクフォースの発足を受けて、国内各界有識者が委員として集まり設立しました。
委員長 | 小宮山宏 | 三菱総合研究所理事長 |
---|---|---|
副委員長 | 鵜尾雅隆 | 日本ファンドレイジング協会代表理事 |
委員 | 野島 嘉之 | 三菱商事株式会社 環境・CSR推進部長 |
渋澤健 | 株式会社コモンズ会長、渋澤栄一記念財団理事、経済同友会幹事 | |
白石智哉 | 一般社団法人ソーシャルインベストメントパートナーズ代表理事 | |
山田順一 | 国際協力機構(JICA)上級審議役 | |
大野修一 | 日本財団常務理事(国際グループ) |
〇2014年7月:G8インパクト投資タスクフォース国内諮問委員会発足
グローバルのレベルでの社会的投資についての政策提言をまとめた最終報告書発表に伴い、東京でもシンポジウムが開催されました。
2014年9月16日G8インパクト投資タスクフォースシンポジウム上映映像
2015年5月30日:G8インパクト投資タスクフォースシンポジウム
日時 | 5月29日 (金) 10:00〜17:30 (1日目) 5月30日 (土) 13:00〜17:30 (2日目) |
---|---|
場所 | 東証ホール 東京証券取引所 (中央区日本橋兜町2-1) |
主催 | G8社会的インパクト投資タスクフォース国内諮問委員会/日本財団/SROIネットワークジャパン |
協力 | 公益社団法人 日本フィランソロピー協会 |
協賛 | 日本取引所グループ、東京証券取引所 |
後援 | 総務省、外務省 |
日本財団はボートレース事業からの拠出金を基に、船舶の技術開発、海上安全確保、福祉・教育の向上、人道支援・人材育成を通じた国際貢献などの分野を中心に事業を展開する、日本最大規模の公益財団法人です。またG8インパクト投資タスクフォースにおいては運営事務局を務めています。
正式名称 | 公益財団法人日本財団 |
---|---|
設立年月日 | 1962年10月1日 |
所在地 | 東京都港区赤坂一丁目2番2号 |
Webサイト | http://www.nippon-foundation.or.jp/ |
日本財団は横須賀市と連携し「横須賀市特別養子縁組推進SIBパイロット事業」を実施します。SIBの今後の可能性を検証するのが狙いで国内では初の試みとなります。
通常のSIBモデルとは異なり、今回のパイロット事業では日本財団が資金提供をするため、プロジェクトの結果に関わらずリターンは発生しません。評価機関は社会的価値の定量評価を専門とするNPO法人「SROIネットワークジャパン」を活用します。
※今後、兵庫県尼崎市などでも若者の就労支援などを狙いとしたパイロット事業を予定
ソーシャル・インパクト・ボンドを含む社会的インパクト投資や社会的インパクト評価に特化した日本初のコンサルティングファームです。中間支援組織として、政府や全国の自治体、民間事業者及び資金提供者等と連携し、SIB導入を推進しています。
正式名称 | ケイスリー株式会社 |
---|---|
設立年月日 | 2017年3月18日 |
所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-26-16 第五叶ビル5F |
Webサイト | http://www.k-three.org/ |
経済産業省SIB導入モデル事業として、ケイスリー株式会社が八王子市における大腸がん検診受診率向上SIB、日本財団が神戸市における糖尿病重症化予防SIBを推進し、日本初の「複数年かつ成果連動型の本格的なSIB予算」の成立に寄与しました。
琉球大学と連携し、ソーシャル・インパクト・ボンドの導入手法等を実践的に学べる全8回の公開講座「社会的インパクト投資基礎概論」を日本で初めて開催します。